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2012年2月 1日 (水)

ピース

 樋口有介『ピース』(中公文庫)を読みました。評判が良いのか,悪いのか,わからない本ですが,話題の本のようです。秩父が舞台です。次々とバラバラ死体が出てきて,犯人も同一と思われるのですが,被害者の接点がまったくありません。こういう設定はミステリーによくありがちで,どこかに被害者の接点があるはずです。そして,そこか犯人の動機もわかるのです。ほんとうの舞台は,あるバーです。マスターの八田と常連客たち。その常連の一人が被害者となります。マスターの甥の男性も重要人物です。結局,事件のきっかけは,御巣鷹山の事故なのですが,具体的にはどういうことだったかは読んでのお楽しみです。書名のピースも,どういう意味があったのか。文庫版の絵がヒントです。
 それなりに楽しめたのですが,多くのレビューも言っているように,いろいろに張られていた伏線が,あまり解決していないところは,ちょっと消化不良でした。珍しく何度も読み返してしまいました。あの伏線は,どうなっていたのだろうかと確認するためにです。でも,放置されていてしまったようで,ここのあたりが,この本の評価を分けるところでしょう。
 風景の描写は詳細で,料理の説明も詳しく,そういうところで楽しめた人もいるのでしょうが,私は,あまりそういうところに関心はなく,むしろ伏線のきれいな処理をしてほしかったですね。人間はどうして人を殺すのか,というところについて,もっと突き詰めれそうなところなのに,物足りなさが残りました。それとも,著者にはもっと深い意図があったのでしょうか。 ☆☆
 

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